私は聴覚支援学校の卒業と同時に就職することを目指していました。耳が聞こえないというハンディを持つ自分には、会議や電話などのコミュニケーションが難しく、仕事にどのように向き合っていけばよいのか?不安な気持ちでいっぱいでした。そんな時、スミセイハーモニーを見学する機会があり、健聴者と聴覚障がい者が仕事のやりとりをする際、自然に手話を使っている様子や、車イス職員の代わりに別の職員が高いところのものをとっている様子などを目にしました。
様々な障がいを持つ職員が、互いの障がいを理解しながら、一緒に協力して仕事に取組む様子を見ていると、不安な気持ちが「ここなら自分も頑張れる」という気持ちに変わり、入社を決意するに至りました。入社後も手話通訳や筆談などの配慮のおかげで、コミュニケーションも十分にとれ、安心して仕事に取組むことができています。
2019年に、給付金を担当するグループのグループ長になりました。住友生命の保険に加入しているお客さまが、入院や手術をされた場合にお支払いする給付金の請求書類を受付け、内容を確認した後、スキャニングする業務が私たちの仕事です。住友生命の担当部門では、そのデータを基に支払手続きが行われます。迅速かつ正確なお支払いのために、期限までにミスなく業務を完了させる必要があり、大変ですがやりがいがある仕事を担当しています。
グループには、私と同じ聴覚障がいの職員の他、身体障がい(車いす)・精神障がい・知的障がいの職員も在籍しています。自分の入社当時を振り返りながら、メンバーが不安を抱えることなく安心して仕事に取組めるよう、グループ長として、適切な配慮を心掛けています。障がいの特性により苦手とする業務はありますが、自分の能力を最大限発揮してもらえるよう調整しています。
今後も、肌理細やかな配慮をしていけるよう、面談などを通じてコミュニケーションを大切にし、一人ひとりと向き合っていこうと思います。
プライベートでは二人の子どもを持つ父親という立場です。幼少のころから、聴覚障がいという立場に甘えて両親や周囲の人に、迷惑をかけていたと感じていました。今はその分周りの人たちに、できる限りのことをしていきたいと思っています。
皆が自分の力を発揮し、いきいきと働けるグループを目指し、これからも皆と一緒に成長していき、家族のため、会社のため、そして自分自身のために頑張っていきたいと思います。